春は一番嫌い
始まりの時期
皆が浮わついて
そわそわしてる
お腹のてっぺんが、
心臓を突き上げて、
喉から出ようとしてる感じが
大嫌いだった。
夏は昔から嫌い
まず夏服が好きじゃない
蚊の羽音と蝉の声に
うんざりする
べとべとして
じとじとして
自分の肌すら触りたくない季節が
嫌いだった。
秋も嫌い
何を着て良いか分からないし
何かと出費が嵩む
銀杏は臭い
何より運動会が
嫌いだった。
冬も嫌い
寒いと動けなくなる
眠たくなるのに
動かないといけない
寄り添える誰かがいない
ひたすら感傷的な夜が
嫌いだった
でも
まずは秋が好きになった
彼が生まれた秋が好き
冬が好きになった
温かい彼の手に触れられる冬が好き
夏が好きになった
あれこれデートプランを立てられる夏が好き
春だけは、
彼を奪ってしまいかねないと
春だけは好きになれなかった。
けど
桜が好きだった。
必ず、毎年咲き誇る桜が好きだった。
もう何もない
春も夏も秋も冬も
もう何もない
桜は咲きますか
来年も
桜は咲きますか
ただそれだけを見る為に
私まだ生きてる。
始まりの時期
皆が浮わついて
そわそわしてる
お腹のてっぺんが、
心臓を突き上げて、
喉から出ようとしてる感じが
大嫌いだった。
夏は昔から嫌い
まず夏服が好きじゃない
蚊の羽音と蝉の声に
うんざりする
べとべとして
じとじとして
自分の肌すら触りたくない季節が
嫌いだった。
秋も嫌い
何を着て良いか分からないし
何かと出費が嵩む
銀杏は臭い
何より運動会が
嫌いだった。
冬も嫌い
寒いと動けなくなる
眠たくなるのに
動かないといけない
寄り添える誰かがいない
ひたすら感傷的な夜が
嫌いだった
でも
まずは秋が好きになった
彼が生まれた秋が好き
冬が好きになった
温かい彼の手に触れられる冬が好き
夏が好きになった
あれこれデートプランを立てられる夏が好き
春だけは、
彼を奪ってしまいかねないと
春だけは好きになれなかった。
けど
桜が好きだった。
必ず、毎年咲き誇る桜が好きだった。
もう何もない
春も夏も秋も冬も
もう何もない
桜は咲きますか
来年も
桜は咲きますか
ただそれだけを見る為に
私まだ生きてる。
苦しい
いき苦しい
いつまで続くの?
寂しい
こころに穴が開いたようって
ぴったりの表現
開いた穴から腐敗して
やがて身体もすべて腐ってしまうんだ
だったら腐り落ちた大地から
侵食して全て枯らしてしまえ
肥やしになんてなるものか
ああ、あの女
なんてことをしてくれる
と、恨めば良い
大地を枯らす寂しさを
身体ひとつに押し込めて
今日もわらうんだ
たのしくないのに
つまらないのに
わらうんだ
くだらない世の中と
もっとくだらないわたし
世界はもっときらきらしていた
でしょう?
ああ、
わたしのところに来てください
わたしを受け入れてください
今度こそ
きみを世界一幸せにするから
しにたがりが生きているのは
鍵は開くと
ただそれだけを信じているから
わたしが信じた最後のヤクソクを
いまでも信じてるから
カクスコイ
心さえ無ければ楽なのに
だれでもないひと、に
わたしもなりたかった
いき苦しい
いつまで続くの?
寂しい
こころに穴が開いたようって
ぴったりの表現
開いた穴から腐敗して
やがて身体もすべて腐ってしまうんだ
だったら腐り落ちた大地から
侵食して全て枯らしてしまえ
肥やしになんてなるものか
ああ、あの女
なんてことをしてくれる
と、恨めば良い
大地を枯らす寂しさを
身体ひとつに押し込めて
今日もわらうんだ
たのしくないのに
つまらないのに
わらうんだ
くだらない世の中と
もっとくだらないわたし
世界はもっときらきらしていた
でしょう?
ああ、
わたしのところに来てください
わたしを受け入れてください
今度こそ
きみを世界一幸せにするから
しにたがりが生きているのは
鍵は開くと
ただそれだけを信じているから
わたしが信じた最後のヤクソクを
いまでも信じてるから
カクスコイ
心さえ無ければ楽なのに
だれでもないひと、に
わたしもなりたかった
寸分ほどの希望に縋って
絶望の線路沿いを進む
向こうに渡れば
戻れるかしら
けれど踏み切りがないの
ずっとなり続ける
カン、カン、カン、カン
横切ってしまっても良いのだけれど
もう少しで踏み切りにつく気がするし
カン、カン、カン、カン
今日は踏み切りを渡る夢を見たわ
目が覚めて絶望したけれど
乾ききった砂のグラスに
水を汲めば
満ち足りて
そして崩れ落ちるわね
わたしが欲しいのは夢じゃないのよ
それは蜃気楼
通り過ぎる電車に
一瞬の涼しさを欲するようなもの
私は誰?
ずいぶん歩いたわ
そろそろ踏み切りがあるはずじゃない
どこで鳴っているの?
カン、カンカン、カン
ああでも
夢の中で掴んだ手は確かに温かかった
理由はわからなかった
理由なんてどうでもよかった
笑っていたから、それで。
ぎこちない笑い
鏡の前で笑顔の練習をやめたのは
いつから?
違和感ばかり
私は誰?
もう嫌だ
蜃気楼に
消えたい
絶望の線路沿いを進む
向こうに渡れば
戻れるかしら
けれど踏み切りがないの
ずっとなり続ける
カン、カン、カン、カン
横切ってしまっても良いのだけれど
もう少しで踏み切りにつく気がするし
カン、カン、カン、カン
今日は踏み切りを渡る夢を見たわ
目が覚めて絶望したけれど
乾ききった砂のグラスに
水を汲めば
満ち足りて
そして崩れ落ちるわね
わたしが欲しいのは夢じゃないのよ
それは蜃気楼
通り過ぎる電車に
一瞬の涼しさを欲するようなもの
私は誰?
ずいぶん歩いたわ
そろそろ踏み切りがあるはずじゃない
どこで鳴っているの?
カン、カンカン、カン
ああでも
夢の中で掴んだ手は確かに温かかった
理由はわからなかった
理由なんてどうでもよかった
笑っていたから、それで。
ぎこちない笑い
鏡の前で笑顔の練習をやめたのは
いつから?
違和感ばかり
私は誰?
もう嫌だ
蜃気楼に
消えたい