浅い眠りの
深い
深い
夢の中、
ギンがあたしを守ってくれた
目を覚まさなくてはと
覚醒したのは夢の中のどこかの教室で
そこにもギンは居て
あたしを見ていてくれた
幸せに満たされて
あたしももう
目を覚まさなければよかったのに
「起きなくちゃ」と、
ベランダから飛び降りようとするあたし
あたしの手をひいて
夢にとどまらせようとするギン
それを振りほどいて
叫んだ
「ここで起きないと、私はもう現実に戻れなくなる!」
飛び降りたと同時に
少しずつ覚醒する頭
瞼に力を込めて
起きてくれと念じる
柵が見えた
手を伸ばして、掴んだら
やっと目が覚めた。
あたしはどうして現実に戻ってきたかったのだろう
もうあのまま、夢の中で
あの人に愛されていればよかったんだ
いつか目を覚ましてしまうことが怖くて
穏やかな夢すら見られない私は
一体どこにいればいいんだろう。
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